成年後見・未成年後見

成年後見制度とは

 

 

判断能力が不十分な方を法律面・生活面で保護・支援する制度で、身体面を支援する介護保険制度とともに車の両輪に例えられます。

 

 

 

<類型>

任意後見

将来、判断能力が不十分となった時に備えて、本人の判断能力が十分な間に契約により将来の支援者を選任しておく制度。(契約書は、公正証書で作成する必要があります。)
判断能力が低下した後、本人・配偶者・4親等内の親族・任意後見受任者が家庭裁判所に「任意後見監督人」を選任してもらうことで、後見が開始します。
任意後見監督人は、任意後見人を監督し、その事務に関して家庭裁判所に定期報告します。

 

【任意後見制度のメリット

◎本人の意思で契約するため、最適と思われる支援者を選び、希望に沿ったライフプラン(生活設計)を実行してもらえる。
◎見守り契約・任意代理契約・任意後見契約・死後事務委任契約・遺言を組み合わせることで、契約締結時から死亡後まで支援を受けることができる。

・見守り契約とは?
定期的に電話連絡や面会をし、本人の安否状況を確認する契約。
・任意代理契約とは?
任意後見が開始するまでの間、財産の管理事務等を委任する契約。
・死後事務委任契約とは?
死後の葬儀や埋葬等に関する事務を委任する契約。

◎任意後見人の資格が登記され、対外的に権限を公示できる。

 

任意後見制度のデメリット】

本人・配偶者・4親等内の親族・任意後見受任者が「任意後見監督人選任」の申立てを怠ると、適切な時期に後見が開始されない。また、申立前に任意後見受任者が亡くなった場合、契約が無駄になってしまう。
法定後見制度に認められている「取消権」がない。
詐欺対策の面では法定後見制度のほうが優れていると言えます。

契約で定めた任意後見人への報酬と家庭裁判所が定める任意後見監督人の報酬の支払義務が生じる。

 

法定後見

すでに本人の判断能力が不十分となっている場合に、申立てにより家庭裁判所が後見人(法定代理人)を選任する制度。
本人の判断能力の程度により①成年後見 ②保佐 ③補助 の3段階に分けられます。
裁判所の判断により、成年後見人・保佐人・補助人に対し、監督人が選任されることがあります。

 

法定後見制度のメリット】

◎本人に行為能力がない場合でも、成年後見人等が適法に財産の管理・処分ができる。
(預貯金の出し入れ、年金保険の手続、役所の諸手続、不動産の処分、遺産分割等)
◎本人の財産や収支が明確になる。
◎成年後見人等の資格が登記され、対外的に権限を公示できる。
◎本人が行った法律行為を取消すことにより、詐欺等に対抗できる。(民法第9条・第13条・第17条)

 

【法定後見制度のデメリット

成年被後見人は、多くの場合、実印の印鑑登録が抹消される。(市町村条例による)
成年被後見人・被保佐人は会社役員、弁護士・医師等の資格の制限を受ける。
成年後見人等は、原則として1年に1回、家庭裁判所に財産目録を提出し、業務報告する必要がある。
成年後見人等に選任されると本人の判断能力が回復するか、本人が死亡するまで業務は続くことになり、正当な理由がない限り辞任することはできない。
居住用不動産(居住用に順ずるものを含む。)の処分を代理するには裁判所の許可が必要となる。
職業後見人(司法書士・弁護士等)が選任された場合、報酬支払の負担が生じる。
(報酬額は、家庭裁判所の審判により決定される。)

 

未成年後見制度と は

親権者の死亡等のため未成年者に対し親権を行う者がいなくなった場合に、申立てにより家庭裁判所が後見人(法定代理人)を選任し、保護する制度。

※子がある夫婦が離婚し一方を親権者と定めた後、その親権者が死亡した場合、もう一方の親が当然に親権者に復帰するわけではないため、未成年後見人選任を検討しなければなりません。