成年被後見人は遺言が出来るか?

成年被後見人は一般に判断能力がないとされていますが、民法上は、判断能力が一時回復した時に医師2名の立ち会いがあれば遺言することが可能とされています。

しかし、現実的には成年被後見人となった方が医師2名の立会いのもと遺言を作成する事例は少ないのではないかと思います。

①一時的にも遺言するだけの判断能力が回復するか? ②判断能力が回復したことを証明してもらえる医師2名を確保出来るか? ③遺言を作成できたとして、後日、判断能力欠如により遺言無効を主張されるリスクがある・・・等々、ハードルが高いからです。

 

同じ成年後見制度でも被補助人や被保佐人については、遺言するだけの判断能力が残されていれば医師の立会は不要ですが、成年被後見人と同じく、判断能力欠如による遺言無効の可能性について検討し、慎重に対応する必要があるでしょう。

成年後見制度利用により判断能力が低下していることを公示しているなかで、相続人間で揉めるような遺言については、無効を主張されるリスクも高くなるものと推測されます。

 

民法第973条 (成年被後見人の遺言)

①  成年被後見人が事理を弁識する能力を一時回復した時において遺言をするには、医師二人以上の立会いがなければならない。

  遺言に立ち会った医師は、遺言者が遺言をする時において精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く状態になかった旨を遺言書に付記して、これに署名し、印を押さなければならない。ただし、秘密証書による遺言にあっては、その封紙にその旨の記載をし、署名し、印を押さなければならない。