農地の交換

先日、近接する農地を所有する農家の双方から農地を交換する手続きの依頼を受けました。

 

交換する農地の価値がほぼ同じであれば「※固定資産の交換の特例」により譲渡所得税の課税がされない(その場合でも税務申告は必要です。)のですが、今回のケースは対象面積に差があるため、

① 譲渡所得税の課税を承知で交換する。

② 農地を分筆して対象不動産を同等面積とした後、交換する。

(分筆して交換の対象から外れた農地は贈与により移転する?)

③ 交換ではなく、お互いの農地を贈与する法的構成をとる。

(当事者が同じで、相互贈与の時期も同じである場合は交換が妥当か?)

などの方法を検討することとなりました。

 

① については、譲渡所得税の課税

② については、分筆登記費用・分筆して交換の対象から外れた農地を贈与する場合は贈与税の課税

③ については、贈与税の課税

の他、不動産取得税、所有権移転登記費用等の負担を検討する必要があります。

 

また、交換価値が異なる今回のようなケースでは、①の方法をとる際、それぞれ時価を幾らと評価して、交換差金を幾ら発生させるかの検討も必要になります。(こちらは不動産屋さんや不動産鑑定士の査定が必要になることもあるでしょう。)

 

課税上有利かどうかの判断や税務申告に関する相談は司法書士・行政書士の職務権限外となりますので税理士さんへの相談をお願いしましたが、対象不動産が農地であり農地法第3条の移転許可を得られなければ目的が達成できないことから、今回は結局、農地法の許可が得やすいであろう①の方法を取ることとなりました。

(譲渡所得税の課税と分筆登記費用・贈与税の課税等の兼ね合いから、土地の時価が高額となる場合は、②の方法が好ましいかもしれません。)

 

農地法の許可申請代理は行政書士・所有権移転登記は司法書士の業務範囲ではありますが、今回のようなケースでは、多様な知識が必要となることから税理士さん等の他士業との連携が不可欠であることを改めて実感いたします。

 

※固定資産の交換の特例

固定資産を交換する場合、所得税法上、原則として互いに売買したものとみなされ課税されますが、交換する固定資産について、「時価の差が2割以内であること・種類が同じであること・所有期間が1年以上であること等の一定の要件」を満たすと譲渡がなかったものとして扱われます。

詳しくはタックスアンサーを参照してください。

https://www.nta.go.jp/taxanswer/joto/3502.htm