相続と戸籍

相続手続きには、相続人を確定させるため、戸籍が必要となります。

遺産分割するにも、法定相続分どおりに遺産を分けるにも、まず誰が法定相続人であるかが判明しなければならないからです。

 

戸籍を収集する上での注意点を幾つか挙げておきます。

 

●夫が亡くなり、妻と子が相続人となるケースでは、夫の出生から(登記手続上は、子供ができる可能性がある13歳頃から)死亡までの戸籍全てと相続人の現在の戸籍が必要となります。

 

●子や孫などの直系卑属がおらず、親など直系尊属も亡くなっている場合は、兄弟姉妹が相続人となりますが、他に兄弟姉妹がいないことを確認するため、両親の出生から(登記手続上は、子供ができる可能性がある13歳頃から)死亡までの戸籍全てと相続人の現在の戸籍が必要になるため、戸籍は相当な数になります。

 

●遺言がある場合は、被相続人が死亡したことと受遺者が相続人であることが分かれば良いので、被相続人の死亡の記載のある除籍謄本と遺言で遺産を取得する相続人の戸籍謄本があれば足ります。

 

●戸籍の保存期間経過や戦災の焼失等により必要な戸籍が取得できない場合は、登記手続上、判明している法定相続人全員による「他に相続人がいないこと」の上申書や戸籍の廃棄証明書等を添付する必要があります。

 

●相続人となる子や兄弟が既に死亡している場合、その子等が代襲して相続人となりますが、その場合、被代襲者の出生から死亡までの戸籍も用意する必要があります。

 

※遺産分割協議書の作成依頼を受けたときは、戸籍を遡ることで把握していない相続人が判明することもあるので、戸籍収集が完了した後に作成させていただいております。